これはゴジラか?
はっきり言わせてもらう。私が求めていたゴジラとはかけ離れていた。これが進化というのか、退化というのか、ニーズの変化というのか。もはや私にはわからない。断言しよう。これはゴジラではない。映像はアバター、ストーリーはアベンジャーズという具合か。これを世界が求めているのであれば、それはそれでしょうがないのだが、ゴジラを使う必要はなかったのではないか。よくわからない怪獣でも使って制作すればよいと思う。星2だ!
ゴジラ−1.0の素晴らしさと比較してしまうのも要因
直前にゴジラ−1.0を観ていたのも酷評の要因かもしれない。ゴジラ−1.0は、間違いなくゴジラファンが観たいゴジラなのだ。映像は進化しており、スリリングであり、ストーリーも感動的だ。
もっとも違いが顕著なのは、人の命の扱い方だろう。ゴジラxコング 新たなる帝国では、仲間の1人が肉食植物に一瞬でパクッと食べられて死亡する。その後、おちゃらけた黒人が、『俺はあぁはなりたくねー』のようなセリフを言っていたが、そのような描写終わりだ。命を軽く扱いすぎている。一方でゴジラ−1.0では、大石典子(浜辺美波)がゴジラの光線による爆風で吹き飛ばされて死亡したかもしれないという描写があった。そのとき、敷島浩一 (神木隆之介)が人生が終わったように、絶望するシーンがある。これが普通の感情だと思うのだ。もちろん対象が仲間か好きな人かで感情は変わるとは思うが、ここまで感覚が違うものかと衝撃を受けた。そのような感覚の違いが映画のところどころで見受けられる。ゴジラがイタリアの世界遺産「コロッセオ」で眠る姿が2度程出てきたが、興醒めした。まるでペットの猫のようだ。ゴジラはそのような可愛い存在なのか。子どもたちの興味を引くために可愛く仕立てたのか。
ゴジラ−1.0のゴジラは恐怖そのものだった。おそらく子どもには好かれないだろう。上映中泣き出す子どももいるだろう。大人をターゲットに振り切っておりよい。
ゴジラxコング 新たなる帝国のゴジラは中途半端だ。寝てみたり、バックドロップしてみたり、走ったりと、何がしたいのかわからない。大人をターゲットにしているのか、子どもをターゲットにしているのかはっきりしたほうがいい。
まとめ
正直、最近観たゴジラの中で最もつまらなかった。ゴジラではない違う怪獣であれば、クオリティは高い映画だと思う。長年ゴジラが好きな方は、観るか観ないかよく判断したほうがよい作品であった。
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